便の形成過程と外肛門括約筋の働きについて

食べた物は消化・吸収されて、最後は
便となり排泄されます。

便は、主に栄養素を吸収された後の
消化物のカスと、腸内細菌から
できています。

その比率は、栄養素や水分を吸収された
食べ物のカスが3分の2で、腸内細菌が
3分の1です。

その他にも、古くなって腸壁から
はがれ落ちた細胞、粘液、不要な
ミネラルなども含まれています。

大腸内で水分が吸収され、便を形成

十二指腸あたりでは粥状だった消化物も
消化液が加わり、消化が進むと、液状に
なってきます。

それで、小腸から上行結腸に入ってきた
消化物の残りカスは液状です。

この液状の消化物が、上行結腸→
横行結腸→下行結腸→S状結腸と
移動するうちに、水分が吸収されて
徐々に便の形となっていきます。

上行結腸に入った消化物は、ぜんどう運動
によって移動しますが、特に、横行結腸の
少し手前あたりから、急激で強い
ぜんどう運動が起こり、一気にS状結腸へと
運ばれます。

なお、消化管が縮んでは伸び、縮んでは
伸びを繰り返しながら、消化物を前へ
前へと送っていくことをぜんどう運動と
言います。

消化物の状態は、上行結腸では液状の
流動体から半流動体となり、横行結腸では
粥状になり、下行結腸では半粥状から
半固形状、S状結腸で固形となります

こうして作られた便は、下行結腸の
下部からS状結腸のあたりに、ひとまず
溜めて置かれます。

何故、ここで一旦ストップするかというと
、もし、便がどんどん直腸へ送られて
しまったら、頻繁に便意を感じることに
なってしまうからです。

というのは、直腸に便が入ってくると、
内壁が圧迫され内圧が高まり、それが
信号となって脊髄神経を通って、脳に
伝わり便意をもよおす自然の仕組みが
人間には備わっているからです。

この反射を、直腸・結腸反射と
いいます。

外肛門括約筋が排便を制御する

便意を感じると、ふつうはトイレに
行きますが、トイレに入って排便する
態勢になるまで、便を出さないように
してくれているのが外肛門括約筋です。

もし、排便したいと感じた時に、直ぐに
出てしまっては大変のことになって
しまうわけです。

この外肛門括約筋は、意識的に
コントロールできる筋肉ですので、
肛門を縮めたり緩めたりして、
排便を我慢できるのです。

ただ、排便を我慢ばかりしていると、
神経が麻痺してしまい、便秘に
なってしまうこともあるので、
我慢は禁物です。

肛門の周囲には、外肛門括約筋の
ほかにもうひとつの内肛門括約筋と
いうのがあります。

こちらは自律神経によってコントロール
されているために、便意を感じると、
意志とは関係なく緩みます。

自律神経に支配される内肛門括約筋は
筋肉を緩めるように働く副交感神経と、
収縮させる交感神経が働いています。

便を肛門から押し出すのは、意識的に
外肛門括約筋を緩めて、お腹に力を
入れるからなのです。

日本人とアメリカ人の便量

戦前の日本人は、穀物や根菜類を
主体に食べていたので、便量は多く、
一日の排便量は300~400グラム
だったそうです。

ところが、現在の日本成人の一日の
便量の平均は150~200グラムと
いわれています。

アメリカ人の場合も、平均便量は
150グラムくらいだそうです。

便の形状や量は食べた物と腸内細菌で
決まるため、もともと肉類中心で
高脂肪食のアメリカ人の便は
食物繊維や穀物が不足している
傾向にあり、便量も少ないと
考えられます。

日本人の便量が減ってしまったのは、
食の西洋化が進んで、和食離れの
日本人の便も西洋化してきたと
言えます。

よい便とは、半練り状のバナナ
2本分くらいで、色は黄褐色や
黄土色で臭いもありません。

便秘解消に役立つ食物繊維について

日本人の食物繊維の摂取量が年々減り
続けていて、その中でも、特に穀物類から
取る食物繊維の減少が目立っています。

この事が、腸内環境の悪化や大腸がんの
原因になると指摘されています。

炭水化物・たんぱく質・脂質などは、
消化管の中で消化液の中の酵素によって
消化され、小腸から体の中に吸収されて
いきます。

しかし、食物繊維は消化・吸収されない
ので、小腸を通過し大腸まで達します。

 

食物繊維とは

便秘解消に役立っている食物繊維には
水に溶ける水溶性と、水に溶けない
不溶性があります。

水溶性の食物繊維は水を含むとゲル状に
なり、便の水分を増やして軟らかくする
働きがあります。

一方、不溶性の食物繊維は水分を吸って
大きく膨らんで、便の嵩(かさ)を増やす
ことで腸のぜんどう運動を促してくれます。

便秘をしている人が、不溶性の食物繊維を
多く摂ると、ガスが溜まりお腹が張って
苦しくなります。

何故ならば、食物繊維で腸のぜんどう運動が
起こっても、それまでに溜まっていた便は
水分が吸収されて硬くなり、出にくい状態に
なっているので腸が膨れてしまうからです。

ですから、便秘の人は水溶性の食物繊維を
摂るようにすると、便が出やすくなります。

食材には不溶性と水溶性の食物繊維の両方が
含まれていることがほとんどです。

しかし、その割合は食材によって異なります。

例えば、食物繊維の多いサツマイモは
不溶性3に対して、水溶性1の割合で
含まれています。

レタスは不溶性10に対して、水溶性1の
割合です。

このように、殆どの食品には不溶性の食物
繊維のほうが多く含まれています。

水溶性の食物繊維は食物を選ばないと
十分に摂れないことが多いですので、
注意が必要です。

食物繊維を摂ることはもちろんですが、
摂りづらい水溶性の食物繊維を意識的に
摂るように心掛けることです。

 

水溶性の食物繊維の多い食材

便秘の人は便が出やすくなるように
水溶性の食物繊維を摂ることを心掛ける
ことです。

なめこ

水溶性、不溶性ともに多く含んでいます。
なめこのヌメリには水溶性食物繊維が
多いので、洗わずに使った方が効果が
あります。

人参

食物繊維の含有率は多いです。ジュースの
材料として使いやすいです。

ごぼう

善玉菌のエサとなるオリゴ糖も含んでいて
水溶性、不溶性ともに多く含まれている
食材です。

納豆

食物繊維のバランスが理想的で、水溶性1
に対して不溶性2の割合です。
1パックで一日の必要量の7分の1を
摂取できます。

里いも

独特のヌメリがあり、芋類の中でも
水溶性の食物繊維が豊富です。

アボガド

理想的なバランスで食物繊維を含んで
います。
また、不飽和脂肪酸も多く含んでいるので
便の潤滑油にもなります。

モロヘイヤ

ヌルヌルとした粘りに水溶性食物繊維が
多く含まれています。しかも、栄養価も
高い食材です。

オクラ

ネバネバしていて、ペクチンという
水溶性食物繊維を含んでいます。
生のままよりも、茹でた方がペクチンの
吸収がよくなります。

いんげん豆

食物繊維の含有量は豆類の中では抜群に
多いです。
不溶性及び水溶性食物繊維も豊富です。

切り干し大根

乾燥させることで食物繊維の含有率が
上がるので、少量でも効果があります。

押し麦

不溶性より水溶性食物繊維を多く含んで
います。押し麦は米と混ぜて炊くことで
食物繊維を手軽に摂ることが出来ます。

そば

食物繊維の含有量は抜群で、乾麺でも
水溶性食物繊維は生そばと変わりません。

海藻

ワカメや昆布やモズクなどの海藻類には
ヘミセルロースという水溶性食物繊維が
豊富に含まれています。

プルーン

水溶性も不溶性もともに豊富に含まれて
います。乾燥プルーンも効果があります。