腸の構造と排便及び便意が起こる仕組み

腸は、胃である程度消化された食べ物を
さらに消化し、栄養素や水分を吸収すると
ともに、その残りカスを便として
排泄できる状態にしていきます。

消化器官の中でも、便秘と最も直接的に
関わっているのが大腸です。

便からは体内の老廃物の7割以上が
排泄され、解毒という観点からも
大腸は重要な器官です。

腸は、脳の支配を受けなくても、自発的に
動くことができ、腸の働きに必要な
ホルモン分泌などを行っています。

また、免疫細胞の多くは腸に集まって
おり、体の免疫機能にとっても重要な
役割を果たすなど、単なる消化器官では
なく、健康にとって重要な内臓です。

腸の構造と働き

腸は、小腸と大腸に大別されます。

小腸は、主に消化・吸収を、大腸は
排泄を担っています。

小腸は、十二指腸、空腸、回腸から
成り立っていて、小腸の粘膜は多数の
絨毛と呼ばれる突起物によって
吸収しやすい状態になっています。

口から入った食べ物は、食道から
胃、十二指腸を経て、小腸の中で体に
必要な栄養素が消化・吸収されます。

小腸で吸収されずに残った食べ物は、
大腸へと送られます。

大腸は、右下の盲腸から始まり、
上行結腸、横行結腸、下行結腸、
S状結腸、直腸に分かれています。

結腸は盲腸から体の上の方に向かい
横に走って下へと向かい、S状に
カーブして直腸を通って肛門へと
つながっています。

便の元となる食べ物の老廃物は、小腸から
大腸へ送られてきた時には、まだ水分の
多い状態です。

それが、上行結腸、横行結腸、下行結腸と
移動するにつれて、水分が吸収されて、
S状結腸へたどりつくころには固形の便に
なります。

消化・排便の仕組み

便秘になるのは、腸の排泄機能がうまく
働いていないことが原因です。

正常であれば、食べた物は、口で細かく
砕かれ、唾液と混和されて
飲み込まれます。

そして、食道を通って胃に
送り込まれます。

胃壁からはペプシノーゲルが分泌され、
胃液として分泌される塩酸と一緒になり、
ペプシンというタンパク質を消化する
酵素となって、タンパク質の一部が
分解されます。

それから、食べ物は十二指腸へ送られ、
十二指腸で胆汁、膵液、腸液によって
本格的に消化が始まります。

食べ物は、空腸、回腸を通過する間に
ほとんど消化を終えて吸収されます。

小腸で吸収されずに残った食べ物は、
大腸へと送られます。

これまでに要する時間は、食べ物を
食べてから約5~6時間です。

大腸では、食べ物の残りカスを使って、
たくさんの細菌が繁殖し、いろいろな
代謝産物を生成して、その一部が
水分と一緒に吸収されるのです。

残りカスとなった食べ物は古くなった腸の
粘膜や分泌物、腸内細菌など、
不要なものと一緒に混ざり合って固まり
便となります。

そして便がある程度のかさになると、
腸のぜんどう運動によって腸壁の筋肉が
収縮し、腸の内容物を押し出すように
下行結腸のほうへ送り出され、完全な
便の形となり、ある程度の量になると
直腸を通って肛門から排泄されるのです。

このように、口から入った食べ物は、
時間にして約5~6時間で、大腸の
入り口まで届き、食べ物の種類や
量にもよりますが、一般的には
24~72時間で便となって
排出されるのです。

便意が起こる仕組み

胃に飲み物や食べ物が入ると、大腸の
ぜんどう運動が起こります。

S状結腸まで来ていた便が、直腸まで
押し出されると、結腸が動き始め、さらに
便が直腸へ送られます。

腸のぜんどう運動によってS状結腸の中の
便が直腸に来ると、便意を感じます。

一般的に、直腸は何もない空の状態の
ときには便意を感じません。

直腸に便が溜まると、脊髄を経て、脳に
排泄の指令がいきます。

脳に信号が届くと、便意が起こり、腹筋が
収縮して腹圧がかかり、連動して直腸が
収縮し排便が行われます。

直腸から肛門にかけては、本来90度
くらいの角度があるため、便がもれにくく
なっています。

便意を感じてトイレに座ったときには
無意識に骨盤底筋が緩み、さらに腹圧が
かかると、直角だった直腸と肛門の間の
角度が130度くらいに開いて、便が
スムーズに排泄されます。

そこで、便意を感じる感知装置は直腸に
あると思われがちです。

しかし、直腸を手術で全部切除して
しまった人でも、きちんと感知して
便意を感じます。

そのような事実から便意を感じる
装置は、実は直腸の外側の骨盤底筋に
あると考えられています。

便意は我慢すると、いったん
遠のいてしまいます。

朝、仕事や学校へ行く前に時間がなくて
便意があっても我慢してしまうと、
そのまま一日排便がなかったという
経験をしたことがある人は多いはずです。

便意があっても我慢を繰り返していると、
本来の排便のリズムが狂い、便意を
感じなくなります。

しかし、便はすでに直腸まで届いている
ので、我慢して排便をしないと水分が
吸収されてしまい、そこで硬くなり、
強くいきまないと出づらい状態になって
しまいます。

普段、排便がスムーズな人でも、
旅行の時などに便秘気味になるのは
便意を我慢することで排便のリズムが
狂うからなのです。

ですから、直腸に大量の便が固まって
しまい、自分では出せなくならないように
必要以上に便を我慢することは禁物です。

便意が起こらなければ排便することは
できません。

排便するための重要な仕組みに
胃・大腸反射があります。

これは、食べ物が胃に入り、胃が
膨張することによって、大腸が
その刺激で反射的に収縮し、
S状結腸から直腸へ便を送り出そうと
するものです。

この反射は、空腹時に食べ物が胃に
入った時や、体を動かした時などの
刺激によって強く起こります。

便が直腸に送られると、直腸の内圧が
高まって、腸壁が刺激され、便意を
催します。

便意を感じると、大脳からは直ちに
排泄指令が出され、直腸が収縮し
肛門の括約筋がゆるんで排便する
態勢となります。

これを、直腸・肛門反射といいます。

さらに、直腸から結腸へも”便が
溜まっている”ということを知らせる
直腸・結腸反射という信号が送られます。

このような信号が機能することによって
便意は起こり、スムーズな排便が
促されるのです。