大腸粘膜の免疫細胞と免疫力を高める善玉菌について

近年、院内感染が社会問題化しているのは
先進国の中では日本だけだという話が
あります。

それほど、日本人の免疫力は低下している
わけです。

原因は、ストレス、運動不足、化学汚染、
栄養バランスの悪い食事、生活習慣の乱れ
、過剰な清潔志向、安易な薬剤投与及び
服用などが挙げられます。

ウイルスや細菌の感染から身を守るのに
大切なものが免疫力です。

善玉菌である乳酸菌には、全身の免疫力を
高める働きがあります。

免疫力と密接な関係がある腸内環境

全身の免疫力を低下させないためには、
腸内環境を整えることが重要です。

戦前の日本人の多くはバイ菌類を
含む寄生虫や微生物と共生して
いました。

ところが、生活環境が良くなるとともに
清潔志向が高まり、体内に程よく
共生していた寄生虫やバイ菌類まで
排除してしまったのです。

専門家の中には、こうしたバイ菌排除が
免疫異常によるアレルギー疾患を生んだと
指摘する人もいます。

かっては、寄生虫やバイ菌類と共生する
ことで、免疫力が養われていたという
ことです。

それでは、清潔になった日本人の
腸内環境は良くなったかと言えば、
そうではありません。

まったく逆で、高脂肪食の摂取量が
増えて、悪玉菌は増える一方です。

悪玉菌が増加すると、全身にさまざまな
悪影響を及ぼします。

その一つが、病気にかかりやすくなる
などの免疫力の低下や免疫機能の
異常です。

大腸粘膜にも点在する免疫細胞

免疫系とは、外敵から自分の体を守る
システムで、もともと人間に備わっている
機能です。

免疫系の最高指揮権を持っている
ヘルパーT細胞には、二つの種類が
あります。

一つは、ウイルスやガンに侵された
細胞などの細胞性免疫を担当する
Th1です。

もう一つは、タンパク質などの小さな
ものの液性免疫を担当するTh2です。

Th1とTh2は、どちらか一方が活性化すると
、もう一方は抑制される仕組みになって
います。

この免疫細胞は、大腸粘膜にも点在して
います。

つまり、腸にも免疫系が働いているのです。

腸は、口に入れた物すべてを引き受ける
ところなので、何がやってくるのか
わからないわけです。

そういう意味では、体内でいちばん
汚染されやすい場所と言えます。

免疫細胞の均衡を崩す未消化タンパク質

乳酸菌などの善玉菌は、主に炭水化物を
分解して腸内を活性化させます。

ウェルシュ菌などの悪玉菌は、主に
タンパク質を分解して、体内に有害な
ガスを作り出します。

近年は、肉食に偏りがちで、タンパク質の
摂取量が増えたために、なかには十分に
分解・吸収できないまま大腸に送られて
くるタンパク質もあります。

このようなタンパク質を異種タンパク質と
いいます。

悪玉菌がタンパク質を分解するときに
作り出すガスは大腸粘膜に対して
毒性を持っているため粘膜を傷つけます。

そうすると異種タンパク質は粘膜に
侵入しようとするので、それを防ぐ
ために大腸粘膜に点在するTh2が
活性化されるのです。

しかし、大腸粘膜のTh2活性が
過剰になると、やがて全身の粘膜に
広がり、タンパク質が粘膜に触れると
アレルギー反応を起こすようになって
しまいます。

例えば、花粉症では花粉という
タンパク質が目や鼻の粘膜に触れて、
かゆみやくしゃみなどのアレルギー症状を
起こします。

同時に、Th2活性が上がると、Th1活性は
下がるので、ウイルスに侵された細胞や
ガン細胞をうまく処理できなくなり、
風邪やインフルエンザなどの
ウイルス感染症やガンにかかりやすく
なります。

免疫力を強化する乳酸菌の細胞壁

Th1とTh2のバランスを回復するのには
乳酸菌が役立ちます。

乳酸菌の細胞壁に含まれるリボ多糖体と
いう物質は、Th1活性を上げる働きが
あるので、ウイルスに対して強い
免疫力を回復し、ガンにも
なりにくくします。

また、Th1活性が上がると、Th2活性は
下がるのでアレルギー疾患にも
かかりにくくなります。

このリボ多糖体の働きは、乳酸菌が
生きているのか死んでいるのかに
関係ないので、口から摂った乳酸菌が
たとえ生きたまま腸に到達出来なくても
効果は変わらないとされています。